トレーニング進行の目安 断裂部位では、筋腱移行部は血行がよく、若干(約2~4週)回復が早い。逆に踵骨付着部付近の症例は腱修復がもっとも遅い部分である。経過中に局所の熱感、圧痛など腱の炎症症状が出現したら遅らせる。 下腿浮腫は受傷または固定により生じた循環障害によるもので、下肢運動以外に安静時患足挙上など末梢循環の改善に努める。階段降下時における筋腱移行部の違和感、つっぱり感はADL上最後まで残る愁訴であるが、受傷後5ヶ月ぐらいで活動性が増すと自然に消失する。寒冷時の違和感、つっぱり感は受傷後1年ぐらいまで残る場合があるが、トレーニングには支障ない。 基本方針 @アキレス腱への伸張および収縮張力を段階的に増大させる A早期に足関節可動域の回復を図る B下腿三頭筋、その他の足関節周囲筋、患側下肢の筋力増強を図る C患部外トレーニングを実施し、体力の低下を防ぐ 理学療法では、アキレス腱の緊張に留意しながら、足関節の可動域制限、筋力低下を最小限にとどめ、早期に回復を図ることが重要である。しかし、復帰を焦るあまり、過剰な負荷を与え、再断裂や機能障害を残存させないように十分注意しなければならない。 |